OSAKA女子プロレス
2・16(土)@大阪・アゼリア大正
『 OSAKA女子プロレス~如月~』
観衆123人
【第0試合】エキシビションマッチ (5分間勝負)
GAMI(0-0)岡本真璃奈
OSAKA女子3周年大会となる3・20ナスキーホール・梅田で正式デビューが決まっている岡本。これまでの練習の成果をGAMI自らテストするエキシビションマッチ。フォール、ギブアップなどで勝負がついても、5分が経過するまで試合は続行される。マスクウーマン志望の岡本はブルーを基調とした覆面を着用。最初のロックアップでロープに押し込まれた岡本。2度目のロックアップではバックの取り合いを見せたが、動きはぎこちない。GAMIにグラウンドに持ち込まれる。ロープ際でブレイクとなったが、先に立ち上がった岡本に対し、Tommyレフェリーが「いけ!」と指示。まだグラウンドの状態でロープをつかんでいたGAMIは、「ちゃんとブレイクさせろ」と抗議するも、Tommyレフェリーは「いけ!」。スタンドに戻ると、GAMIがフロントネックロック。押し潰される形でグラウンドに引き込まれた岡本はそれを切り返そうとしたが、GAMIがしっかりと両手をクラッチしていて失敗に終わる。スタンドに引き起こしたGAMIは、リストロックから岡本をねじ伏せてハンマーロックへ。そのまま立ち上がると、足だけでハンマーロックを決め、岡本の動きを完全にコントロール。ロープに逃げようとする岡本をクロスフェースロックで締め上げていく。ギブアップしないとみるや、引き起こしてボディースラム。そして逆片エビ。ロープに逃げられると背中にハンマーパンチを振り下ろしてコーナーに飛ばした。GAMIのコーナーへの突進をかわした岡本は、ドロップキック4連発を放ったものの、いずれも低く、当たりも浅いため、GAMIはふらつくことさえしない。ボディースラムで投げようとしたGAMIを体重を浴びせて押し潰した岡本は、カウント2で跳ね返されると、首固め、横入り式エビ固め、逆さ押さえ込みと丸め込んでいったもののいずれもカウント2。GAMIは岡本を横抱きにしてマットに叩きつけると、ダブルフットスタンプでボディーを踏みつける。これには場内からブーイング。その反応に対して観客をにらみつけてからカバーしたGAMI。岡本がカウント2で左肩を上げたところでタイムアップのゴング。
試合後、マイクを手にしたGAMIは、「あと10秒あったら勝ってたな」と漏らし、Tommyレフェリーのレフェリングに文句をいった後、試験官として岡本を評価。「もうちょっと練習しよう。あれ、タップせぇへんかったん? 下野は(デビュー前の私とのエキシビションマッチで)1回タップしたのに…。ちょっとだけ粘り強いってことやから、もうちょっと練習しよう。で、もうちょっと体力をつけよう。で、3月3日にWAVEの(大阪)大会があるので、その時にもう1回、エキシビションマッチを誰かとやりましょう。言っとくけど私と下野やったら、たぶん下野の方が重くて、下野の方が攻撃は厳しいと思うよ。私、細い子とやったらちょっと手抜くもん。今日のフットスタンプも、ほかの人にやるのとはちょっと手を抜いたよ。私のフットスタンプは、生卵の上に乗っても卵が割れないぐらいやから。じゃあ3月3日、こんなデッカイおばさんやない人、対戦相手にしときます。それまでに頑張って、もうちょっと練習しといて下さい」この日のレベルでは“合格点”は与えられず。WAVE3・3梅田(ナスキーホール)で追試が行われることになった。
【入場式】
エキシビションマッチが終わってから入場式。この日、出場する全選手がリングに揃ったところでマイクをつかんだのは三崎グリ子。「皆さん、こんばんはぁ。今日は来てくれてありがとぅ。今日はシングルに、タッグに3WAYに、真剣な試合とコミカルな試合と盛りだくさんな内容になってんでぇ。今日もみんな、楽しんでいってやぁ!」と挨拶した。
【第1試合】シングルマッチ (15分1本勝負)
○花月(8分10秒、片エビ固め)ライディーン鋼●
※バックフリップ
1月大会(1・19アゼリア大正)のメインでタッグ対決した両選手(下野&花月VS中島&鋼)。試合後、下野が中島との一騎打ちを直訴したことで、残ったパートナー同士によって組まれたシングルマッチ。力のこもったロックアップから、一気にロープに押し込んだ鋼。エルボーを打ち込むとロープに走ってショルダータックル。連発で放ってダウンを奪うも、花月もすぐに起き上がってドロップキック。それでも鋼はショルダータックルを放っていく。花月はロープワークからすれ違いざまに鋼の足をすくってダウンさせると、起き上がろうとしたところにドロップキックを決めた。さらに連発で放っていきボディースラム。カウント2で返されると、鋼の両腕をクロスさせ、そこに自らの足をフックして動きを封じる。鋼はサードロープに足を伸ばしてブレイク。しかし花月の攻勢は続く。コーナーに鋼を飛ばすと、対角線を走ってのエルボーアタックを2発。花月の攻撃に耐え抜いた鋼は、カウンターで柔道流の投げを決めると、払い腰の連発から体落としで自身の体を浴びせていく。そしてグラウンドで肩固めに持ち込んだ。ギブアップしないとみて技を解いた鋼は、ドロップキックで大きく後方に吹っ飛ばす。そしてボディースラム。さらにコーナーに上ってボディープレスを放ったが、これはかわされて自爆。それでも攻撃の手を緩めず、バックドロップで花月をマットに叩きつけた。立ち上がった花月がエルボーを放つと鋼も同じ技で応戦。しかし花月は、鋼がエルボーを放ってきたタイミングを見計らって体を沈めて肩に担ぎ、バックフリップを決める。さらにブレーンバスター。カウント2で返されると再びバックフリップを狙ったものの、体を揺すって回避した鋼はスタンディングで肩固めを決める。これを丸め込みで切り返した花月は、ランニングエルボー2発からミサイルキック、バックフリップとつないで3カウントを奪った。
【第2試合】3WAYマッチ(15分1本勝負)
○にゃんば~(10分1秒、後方回転エビ固め)ポリスウ~メン●、弁天娘。
OSAKA女子3大キャラクターによる3WAYマッチ。試合が始まると、にゃんば~はTommyレフェリー相手にじゃれて、リング上はポリスウ~メンと弁天娘。の一騎打ちに。それでも時折、にゃんば~が加わるためペースを乱される。ポリスウ~メンと弁天娘。をコーナーに追い詰めたにゃんば~は串刺しドロップキックを。弁天娘。しかしポリスウ~メンが持ち込んだ猫じゃらしに気をとられてしまう。ポリスウ~メンが猫じゃらしを観客席に放り投げると、にゃんば~もそれを追って場外へ。
リング上では弁天娘。がプラスチック製のチェーンの上にポリスウ~メンをDDTで叩きつけると、ポリスウ~メンはキャメルクラッチを決める。ここでにゃんば~がリングに戻って来て低空ドロップキックを放つ。しかし標的はキャメルクラッチを決めていたポリスウ~メン。それでもポリスウ~メンは弁天娘。にショルダーバスターを決め、ギロチンドロップ3連発。そしてムーンサルトプレスを狙ったが、これは弁天娘。とにゃんば~に妨害されて不発。ここで弁天娘。とにゃんば~がチェーンを奪い合う。それを見て攻撃を仕掛けようとしたポリスウ~メンだったが、かわされてしまってチェーンをまたぐ形に。そんなこと全くお構いなしで、弁天娘。とにゃんば~はチェーンを引き合う。倒れ込んで四つんはいになったポリスウ~メンのスカートをめくり上げた弁天娘。は、にゃんば~にカンパーナを決めると、前後に揺すってにゃんば~の顔面をポリスウ~メンの臀部に激突させる “お下劣攻撃”。ポリスウ~メンはスピアで2人まとめてダウンさせると、弁天娘。をつかまえて、スーツケースの上にDDT。そして弁天娘。にリバースインディアンデスロックを決めると、近づいてきたにゃんば~をコブラツイストで捕獲。ポリスウ~メンと弁天娘。がバックの取り合いなどの攻防を繰り広げていると、にゃんば~がコーナー最上段からボディーアタックを放ったがかわされて自爆。ポリスウ~メンは弁天娘。を背負って2人分の体重をかけてのボディープレスを放ったが、これもかわされた。ここでにゃんば~が弁天娘。にレインメーカーを決める。しかしカバーにいかず、両手を広げてレインメーカーポーズ。すると背後から忍び寄ったポリスウ~メンが丸め込む。これを合図に丸め込み合戦となったが、いずれもカウント2。にゃんば~は弁天娘。をトップロープ越しに場外に落とそうとしたが、弁天娘。はエプロンに踏みとどまった。するとポリスウ~メンがにゃんば~に突進。にゃんば~がそれをかわしたところ、エプロンに立っていた弁天娘。とポリスウ~メンが激突。そのままにゃんば~がポリスウ~メンを背後からロープに押し込んでの後方回転エビ固め(スクールボーイ)。ポリスウ~メンの上に座り込んで押さえ込んだところ、3カウントが入った。
【第3試合】6人タッグマッチ(30分1本勝負)
○三崎グリ子、華名、紫雷美央(16分45秒、ジャーマンスープレックスホールド)GAMI、救世忍者・乱丸●、アップルみゆき
凡女☆美ィーナスに加わったGAMIは、ほかの2人に合わせて豹柄のコスチュームに身を包んで登場。入場時には“ナマ歌”も披露した。試合は乱丸と華名でスタート。乱丸が握手を求めて右手を差し出すと、その手をつかんだ華名はリストロックを決める。いきなりの攻撃に対し、乱丸は小ネタをちりばめながら笑いを誘い、凡女☆美ィーナスペースに持ち込んでいったが、その中でGAMIはグリ子の張り手をまともに浴びて、半ば戦意喪失気味。ジャンケンしてから攻撃を放つグリ子の“グリコパンチ”はGAMIに通じず。しかし、チョキでチョコレート目潰し、パーでパイナップルビンタを決めていった。しかし華名&美央はどうもペースを狂わされてしまったよう。ここぞで放つ連係技での息が合わず。そしてこの日、乱丸が放った忍法は「操り人形の術」。これは乱丸と同じ動きをさせるというもの。忍法を浴びたグリ子はグラビア撮影ポーズをとらされたが、最後は成人向けのポーズ。さすがにこれは味方であるアップルが飛び込んできて阻止した。そしてGAMIが華名のヒップアタックを受け止めて投げ捨てジャーマン、ラリアットを決めて、ようやくプロレスらしい流れになってきたところで、乱丸とアップルがストップをかける。ここでGAMIの長台詞のシーン。翌日のWAVE新宿FACE大会に出場予定だった栗原が眼窩底および鼻骨骨折で欠場することになり、新設されるシングル王座の初代王者を決めるトーナメントでいきなり華名VS栗原の黄金カードを組んだにもかかわらず流れてしまったグチを述べる。暫定ではあるもののピンチヒッターとして美央のエントリーが急きょ決まったことで、反対コーナーに立っているのはトーナメントに出場する3選手。決戦は明日というのに、「こんなことしとってええんか?」と言うものの、「このカードを組んだんは社長(GAMI)やろ!」と突っ込まれてしまう。それならとGAMIはOSAKA女子3周年記念興行へのオファーをかけ、乱丸&アップルのご機嫌を取る。「カードも決まってる」。そして試合に戻ると、乱丸が集中攻撃を浴びた。そのたびにカットに飛び込むアップルとGAMI。しかし乱丸はすでに体力と気力が限界。「もう助けに込んでええ。そこでじっとしといて」と命じると、グリ子に背を向けてバックを取らせる。そして「フィニッシュ!」と叫ぶと、ジャーマンで投げられ3カウントを聞いた。
このフィニッシュシーンを見たGAMIは、「斬新な負け方やったな。私もコミカルでは負けてへんと思てたけど、こんな負け方はやったことないわ」と脱帽。そして気を取り直して、3・20梅田の凡女☆美ィーナス絡みのカードを発表した。「乱丸、アップルみゆき組VS広田さくら………………ダンプ松本!」。それだけ告げると、GAMIは2人を置いて引き揚げていった。
【第4試合】シングルマッチ (30分1本勝負)
○倉垣翼(12分3秒、片エビ固め)勇気彩●
※ハヤブサ直伝ファルコンアロー
倉垣のヘッドロックをロープに飛ばそうとした勇気だが、倉垣はロックを放さず。3度目のトライでようやくヘッドロックを振りほどくとタックルの打ち合いへ。打ち勝った勇気は倉垣をボディースラムで叩きつけ、逆エビ。ロープに逃れた倉垣はドロップキックで反撃。そして先ほどのお返しとばかり逆エビで締め上げていく。カナディアンバックブリーカーで勇気を担ぎ上げた倉垣は、そのままコーナーに引っ掛けると背中へドロップキックを突き刺す。そして逆片エビへ。ロープブレイクの持ち込まれると、互いに串刺し攻撃を決めてから倉垣がミサイルキックを放つ。さらに倉垣が攻撃を仕掛けようとしたところ、勇気はショルダースルーで跳ね飛ばしてコーナーに上がる。それを察知した倉垣は立ち上がってデッドリードライブで叩きつけた。今度は倉垣がコーナーに上ったが、勇気は2度にわたって突き落とされながらも3度目のトライで雪崩式ブレーンバスターを決める。そしてSTFへ。ロープに逃げられると、スタンドに戻ってバックに回る。倉垣はクラッチを切ると勇気のリストをつかんで頭越しに前方に力任せに叩きつけた。そしてロープを背にしたところにラリアットを叩き込む。2発目を狙ってロープに走った倉垣だったが、勇気は追いかけてロープ際でのラリアット。そしてラリアットを打ち合う両選手。何度もリング中央でぶつかり合う両者だったが、打ち勝ったのは勇気。さらにコーナートップから急降下エルボードロップを決めたもののカウント2。ここでデスバレーボムを狙った勇気だが、倉垣は後方に滑り下りてバックドロップ。勇気が立ち上がりざまにラリアットを叩き込めば、倉垣はトラースキックを放つ。そしてバックドロップ、ムーンサルトプレスとつないだもののカウント2。倉垣は至近距離からのラリアットで勇気をなぎ倒すと、2発目のムーンサルトプレスを狙ったものの、立ち上がった勇気はチョークスラム気味にマットに叩きつけてデスバレーボム。これをカウント2で返した倉垣は強烈なラリアットを叩き込む。すかさず勇気の体を逆さに持ち上げるとファルコンアローでマットに叩きつけて3カウントを奪った。
【メインイベント】シングルマッチ (30分1本勝負)
○中島安里紗(11分19秒、クロスアームスープレックスホールド)下野佐和子●
初の一騎打ち。中島は1月大会でシングル対決を直訴された下野を、敵地に乗り込んで迎え撃った。手四つの力比べて試合はスタート。リストロックに切り返した中島は、フロントスリーパーから後方に回転してグラウンドに引き込む。そこから逃れてステップトーホールドを決めた下野に対し、中下から蹴り上げて脱出した中島もステップトーホールドを返していく。下野はサードロープに手を伸ばしてブレイク。スタンドに戻ってカウンターのハイキックを決めた中島は、下野をスリーパーにとらえる。ここでもロープに逃れた下野はショルダータックルで中島を倒すと、グラウンドの展開からフロントネックロックへ。それを切り返してマウントポジションを奪った中島は、下野の胸板にエルボーを何発も振り下ろしていく。そして動きが止まったところで逆エビへ。下野がサードロープに手を伸ばそうとしたところでキャメルクラッチに移行。そのままの体勢で顔面をかきむしる余裕さえ見せる。スタンドに戻り、中島が串刺しエルボーアタックを決めれば、下野は串刺しベイダーアタックのお返し。しかし中島はDDTで下野の攻撃を単発で封じ込める。続いてダブルアームスープレックスを狙ってリバースフルネルソンに固めたが、下野はショルダースルーで返すと、うつ伏せ状態の中島の背中にヒップドロップ。そしてそのまま逆エビ、逆片エビで締め上げていく。そしてボディースラムを狙って担ぎ上げたところ、中島はDDTに切り返してクロスフェースロックへ。スタンドに戻ってエルボーの打ち合いとなる。これに打ち勝った中島だが、下野はボディースラム4連発から串刺しベイダーアタック、串刺しジャンピング・ニーアタックを決めると、右手を突き上げて「オー!」。中島は続く下野の攻撃をスリーパーに切り返し、ロープに逃げられると顔面に蹴りを叩き込んでいく。下野は強引に押し倒すようなラリアットを決め、エルボーの打ち合いへ持ち込む。ダウンした中島にヒップドロップを決めた下野だが、コーナーに上がったところ、雪崩式サイドスープレックスで叩きつけられた。下野が不用意に突っ込んできたところ、キューティースペシャルで切り返した中島は、コーナーに追ってきた下野に対して雪崩式投げ捨てジャーマン。そして側頭部へのミサイルキック、ジャーマンと畳み掛ける。下野は逆さ押さえ込みにいくと見せかけての首固め(なんでやねん!)で丸め込むが、中島は切り返して逆に下野を丸め込む形に。カウント2で跳ねのけた下野だったが、ランニング・エルボーから両腕をクロスしてのジャーマンを決められ、3カウントを聞いた。序盤から中島が先手先手と試合をリードしていく形。意地を張り合うシーンこそあったものの、下野の攻撃は畳み掛けるところまでいかず。最後まで中島のペースを切り崩せなかった。
敗れた下野はコーナーに腰を落として、引き揚げていく中島を目で追うと、ゆっくり立ち上がってマイクを手にした。「自分から希望して組んでもらったシングルマッチでしたけど、残念ながら負けました。でもこれで、中島選手の強さがわかったので、次、シングルで対戦する機会があるなら、勝ちたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と語ると、「3月20日、ナスキーホール・梅田でOSAKA女子プロレス3周年記念大会を行いますけど、そこで私には闘いたい選手がいます。花月選手。3周年大会でのシングルマッチ、よろしくお願いします」と呼びかけると、メインの激闘をリング下で眺めていた花月はリングに上がり、下野とガッチリ握手。対戦を受諾するとともに、「自分は上を目指しているので、まだまだ下野選手に負けるわけにはいきません。でも、下野選手と一緒に上に行きたいと思ってますんで。3月20日、3周年記念大会では熱い試合をしますんで、ぜひ会場に見に来てください」と返した。これにより、OSAKA女子3周年大会では、旗揚げ戦のメインと同じカードが決定した。
写真&記事提供:OSAKA女子プロレス